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「理論は実験によって実証することができるが、
実験から理論の誕生に到る道は、どこにも存在しない」
アルバート・アインシュタイン
かつて物理学的世界は、科学者の観察によって影響を受けることはないと考えられていた。しかし、現在では観察者と観察されるものは、たがいに切り離せないものだと広く考えられるようになった。
このことは人間が人間を観察する場合にも、観察する側と観察される側が影響し合うため、観察結果が純粋に客観的なものとはなり得ないということに気づかせてくれる。
観察者は、自分の世界観に基づいて仮説の設定や観察を行い、その観察結果によって仮説を検証し、新たな知見を獲得してゆく。
自然科学におけるこの手法は、人間が人間を観察する場合においても、同じ意味をもつ。すなわち、仮説が暫定的な説明である以上、仮説は常に観察や実験によって検証され続け、時に修正されなければならない。真に客観的な観察結果は不可能であることを知りつつ、仮説を検証し続け、新たな世界観を構築することに観察する意味がある。 Anthony Storr(山口泰司訳)「人格の成熟」より
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